5.けむり 前が見えなかった。真っ白の霧で見えないのか、暗闇で見えないのか。それはわから ない。だけど、ただ一つ分かること。前が見えなかった。 辛かった。辛くて辛くてたまらなかった。どうしてこんなに苦しいのだろうか。どう してはわたしはこんなに頑張っているんだろう。どうしてわたしはこんなに必死になっ ているんだろう。わたしは本当に幸せになれるのかしら。 苦しい日々。今でも覚えている。どれほど辛かったか。どれほど全てを投げ出して煙 のように消えようと思ったか。 愛する人との連絡は途絶え。愛する人と一緒に居たくて必死に自分にムチを打ち。久 々に会えたと思えばもてあそばれ。心がボロボロになった。どうしてだろう。どうして こんなに苦しいんだろう。そればかり考えていた。 どうしてこんなに苦しいの? どうしてこんなに辛いの? どうしてこんなに頑張っ ているいるのにダメなの? どうして幸せじゃないの? どうして? どうして? ど うして! 悔しかった。 愛していると思った人を本気で好きでなんか居なかった。ただ、自分の寂しさを補い たいだけ。それだけで付き合った。そう。当然の報い。好きでもないのに好きだと自分 を思いこませ、感情を高ぶらせ、恋する自分に恋してただけ。そう。はじめから分かっ ていた。分かっていたけど信じたくなかった。さびしかったから。どうにかして、この 愛の飢えを満たしたかった。だけど、そんなので満足するわけない。よけいわたしは愛 に飢え、枯れていくだけだった。 おかしいと思った。だけどおかしいと言えなかった。話したいと思った。だけど話せ なかった。会いたいと思った。だけど会わなかった。やりたいことがあった。だけどや らなかった。 後悔の上に後悔が重なり、憎しみに変わる。よくもわたしで遊んだわね。 何考えてるの? 自惚れ? 誰も君なんかと遊んでないよ。遊ばせたんでしょ。あた しで遊んでもいいですよって、アピールしたんでしょ? ああ。 反省。 もう、こんな恋愛なんかしない。 次は。次こそはもっと幸せになる。ありがとう。勉強になりました。見ていてくださ い。幸せになるから。もっともっとキレイに、かわいくなりますから。 ありがとう。さようなら。 過去なんてね、必要ないの。今を生きればいい。未来を見て。 過去のことは引きずってない。だから。だからこそ、今わたしは彼と居る。彼は昔の 彼と同じ血液型。やっぱり彼の時と同じ風に……? なんてこれっぽちも思っていない。 これからどうなるのか楽しみでたまらない。 好き。彼が。笑ってくれる彼が。優しくしてくれる彼が。側に居てくれる彼が。見て くれる彼が。話してくれる彼が。遊びに連れて行ってくれる彼が。 ううん。彼の存在が大好き。彼が居るだけでわたしは幸せ。そして彼を幸せにしたい と思う。彼が幸せなら、わたしも幸せ。 火遊びをしたあとは水をかけましょ。煙が出るね。じゃあ、煙、飛ばしてもらおうか。 ほら。前が見えるようになったよ。幸せに繋がる未来がね。 くさい……? またもやはじめとおわりにギャップが? なんか。うん。セリフなかったね。